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2012年6月 3日 (日)

むやみに連携しても~「福島の温泉街、産官学で再生」日経新聞2012.6.2夕刊記事を見つつ

昨日の日経新聞夕刊に福島の温泉街を産官学で再生させるという記事を見つけました。

それで、まずはこの記事のことではなくなってしまいますが、連携について考えてみました。

産官学連携という言葉は、5年あるいはもう少し前に盛んに言われていたように思います。
しかし、いまは昔ほどは言われていません。一般的なものとして定着しあまり目立たなくなったからかもしれませんし、リーマンショック以降(このころから特に聞かなくなったように感じます)、大きなお金を使って協働でプロジェクトを立ち上げる余裕がなくなったからかもしれません。

私も5年少し前にサービス業の分野で産官学連携でサービスを生み出す事業に関わらせてもらって、産官学には思い入れがあるのですが、地域で産官学連携をやるのは、なかなか難しいというのが正直な感想です。

まずはそれぞれが目指すところが違うということ

「産」、すなわち企業さんは自社がもうかる事業を作ることが目的。
ですから連携して何かをといっても特に中小企業さんになると残りの官と学に対して、自分たちのために何を提供してくれるのって視点が出てきたりします。

そして「学」、もう大変です。地域で産官学をやろうとすると当然ながら地元の大学からどこかということになってしまいます。
つまりシーズが限られている。
自分の事業の場合は一から新しい事業をということで大学のシーズを発表してもらって企業さんに手を挙げてもらう形式だったんですが、これがなかなか。。
まず大学に相談して失敗したのは、事業になりそうなシーズを紹介してくれず、大学のメンツで先生を推薦してこられるところがあったこと。大学の論理を前面に出されると難しいものがあります。
また結構とんでもない先生もおられて、学生の生活態度について厳しいと言った先生が、事業協力をOKしてくれたので研究内容の発表日を決めていたにもかかわらず、その日別の用件が入ったからと事業自体キャンセルに。

研究一筋の先生方ですから、その研究にプラスになることでなければなかなか関心を示してもらえないってことは当然だと思って付き合うしかないんだなあって実感させられました。

つまり「産」にも「学」にもウィン・ウィンでなければならない。

そして「官」。これが最も曲者で、事業をやるからには効果が目に見えないといけない。こんなにいいことになっていますっていうことがすぐ欲しい。
かといってお金はないから、お金はあまり出さない。
そんな中でまれに成果を出している企業さん、たまたまマスコミから注目される製品を開発した企業さんが出たりするとさも事業の効果のように、その企業さんを官の広告塔にしてしまう。
冷静に見れば製品を一個開発しただけで、売れるかどうか、利益が上がるかどうかはまだこれからなのに、もてはやしてしまう。
それで勘違いしてしまう経営者の方も。。それでその企業さんをずっと面倒みられればいいのですが、そこは企業の責任。経営がおかしくなると官は静かに離れていきます。自分たちに責任なんてありません。罪は大きいと思います。

以上の話、何が問題かというのはもうおわかりのとおり、まず「産官学連携」ありき。

ですから逆にある大きな目的のために「産」と「官」と「学」が知恵を出し合ってやりましょうということであれば、うまくいく可能性は高い。

そこで記事に戻って、この記事では観光地だった福島の温泉街を再生させることが目的。
福島の土湯という温泉街の再生をするために何ができるかという発想だったら、産と官と学でそれぞれできることを分担して、それぞれが連携してうまくいくんじゃないかと思います。

記事の中で気になるのは「同事業で蓄積した再生ノウハウは県内の他の観光地でも活用する。」
う~ん、再生事業はあくまでそれぞれに応じてじゃないのかな? やったことが他の地域に応用できることもあるけれど、活用することを最初から目論んでも・・と思います。

それから「環境に配慮して省資源化を進めるスマートシティ―構想を導入。温泉を使った地熱発電と小水力発電で電力を自給自足できる街づくりを進める。」
これはひょっとしてシーズありき。優先すべきは温泉地に観光客を取り戻すことだとすると必要なのかなと。。

さて、これをナカキラ管理人のブログとして書いた意味はというと。。

非営利の活動について、やたら一緒にやりましょう、連携しましょうという話があります。
みんなで力を合わせてやるってことは美しく見えて反対しにくいけれど、目指すべきものがないのにくっついても意味がないし、先にくっついていることで逆に本来欲しい人を入れられなくなったりすることもあります。

「連携」「ネットワーク」、魅力ある言葉だけれども期待しすぎてやたら連携していると本来自分がやりたかったことができなくなる可能性もあることを忘れないようにした方がいいと思っています。

ところで、この記事の元をたどろうと、福島県庁、土湯温泉観光協会、ついでに復興庁、東邦銀行、福島大学、記事に上がっていた協力先のホームページを探してみたんですが、うまく見つけられませんでした。
オリジナルの情報を見てみたいです。

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