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2012年9月17日 (月)

リーダーの条件 「西日本新聞9月16日朝刊 提論明日へ 姜 尚中さん」から

西日本新聞で毎週日曜日に連載されている「提論 明日へ」。九州にゆかりのある方で全国的に活躍されている方数人が交代で書かれております。
今週は、東京大学大学院情報学環教授の姜 尚中氏「リーダーの条件」というタイトルの論説でした。
気になったフレーズを抜き出してみます。

「内憂外患に直面し、それを突破できる強いリーダーシップへの期待が膨らんでいるが、強いリーダーを求める時代は危うい。」
と最初に前置きがあります。今回はこれがメインではないので、なぜ強いリーダーを求める時代が危ういかについて説明はありません。
しかし、いま自分たちの周りを見てみると簡単には解決できない問題が山積していて、それをいっぺんに解決してくれるリーダーが現れないかとみんなが期待していて、それができそうな頼もしい言葉を発する人に惹きつけられていると感じます。
しかし、多くの人が取り組んできた問題が早々解決できるはずがない。ですから自分で考えて地道に行動していくことしか解決方法はないはずなのに、それを止めて強いリーダーにすべてを丸投げしたくなっている。姜さんがそう言うつもりで危ういと言ったかどうかはわかりませんが、私なりに考えても強いリーダーを求める時代は危ういと思います。

ところで論説に戻して、リーダーの条件の話

「リーダーには最低限二つの重要な条件が備わっていなければならない。
何よりもビジョンが不可欠だ。ビジョンとは、未来のあるべき姿を見通す力を指している。この意味でビジョンとは、日本社会のあるべき未来図についての骨太のデザイン力ともいえる。
それは最低でも10年以上のタイムスパンをもった未来の姿を思い描く能力でなければならない。その場合、ビジョンは、単なる幻影やドグマ(独断的な説・意見)であってはならないはずだ。そうならないためには、歴史の潮流をしっかりと見極めることが大切である。」

国のトップリーダーは数字に強く具体的な施策に精通した政策通ではなく、ビジョンを語る人であって、具体的なことはブレーンを使いこなして実現すればよいというようなことが述べられています。
ですから第二に重要なのは「コミュニケーション的能力」だそうです。
「法の施行や警察力、軍事力など、広義の強制力だけが権力ではない。権力には、民主的な手続きを通じて動員される国民共同体のコミュニケーション的権力がある。文字通り、それは公共的な空間で多数者の合意を結集できるコミュニケーションの力を指している。
リーダーは、自らの描くビジョンを実現するために、そのコミュニケーション的能力を動員し、国民多数の民主的な合意という正当性を獲得する必要があるのだ。」

「一刀両断的なレトリック(言葉を飾り立てること)や細かな辻褄合わせではなく、社会的な公正や公共善について諄々と情理を尽くして国民を説得するコミュニケーションの能力が不可欠である。あるべきリーダーはそのような能力が備わっていなければならないのだ。」

姜氏は国のリーダーについて述べておられますが、例えば社会活動をする方々を見ていて、確かに目の前の課題に取り組んでいらっしゃる姿はすばらしく、取り組めば取り組んだだけの効果が見えるのですが、素晴らしい取り組みであればあるほど、そのリーダーが取り組みの意味を、目指すべきところを広く語ることで、さらに大きな効果、大きな影響があるのではと感じています。

控えめな方が多く、黙々と自分が信じたことを実行されているんだろうと思うけれど、時には手を休め、頭を上げて自分のやっている取り組みの意味を周囲に語ってみる。そんなこともやって欲しいなと思った記事でした。

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