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2013年3月 5日 (火)

労働市場をどこまでイメージできているか?

2013年3月5日の日経新聞朝刊の社説「経済再生と成長を労働政策でも後押し」という記事を読んで、「はあ?」とちょっと怒りを感じました。

「労働政策は成長戦略の柱のひとつ」で、「大切なのは民の力の最大限引き出す視点」だそうです。

まずここで言う「民」とは何なのかもよくわかりませんが・・

「どの企業で人材需要があるか見つけ、求職者との橋渡しをする職業紹介は、製品・サービスの市場動向をよく知る民間事業者をもっと活用した方が効率的になる。」とさらりと書いてあります。

「人材需要」ってなんなんでしょうか?「製品・サービスの市場動向をよく知る民間事業者をもっと活用」することで、人材需要を見つけることができ、求職者との橋渡しができるのでしょうか?

企業が利益を増やすために必要な人材を外から簡単に見つけて、ちょっと使ってみて合わなかったら、はいさよなら・・はいさよならされた人材は、民間企業の効率的な職業紹介があれば、その人にふさわしい仕事がすぐに見つかる。それぞれの労働者はパズルのピースのように必ずその人に合う企業がある。

この社説を書いた方には、そんなイメージがあるんではないかと疑ってしまいます。
企業が必要な人材は、企業が手間とコストをかけて見つけるべきだし、そこそこ使える人材を見つけたらさらに使えるように企業が育てていくべきでは?

人が優秀かどうか、使えるかどうかなんてテストや面接で簡単にわかるはずがなくて・・わかったとしてもそれはかなり優秀な人に限られているわけで、大多数は、もともとAさんとBさんと入れ替えてもあんまり違いが出ないという人。

企業には確かに優秀な人材が必要だけれど、企業の中の仕事の大部分はその優秀な人が生み出したアイディアなり、研究成果を売れるものにしていく地道な作業で、そこがうまくいかなければ企業の業績も上がらない。

あんまり能力変わらない人の作業から、他の企業にはない製品・サービスを生み出すって、その人のやる気であったり、企業への愛着とか、忠誠心、働くモチベーションとかが大事になるんじゃないか?

それって企業に入って徐々に生まれるものであって、どんなに優れた職業紹介事業があってもどうにもならないように思うんです。

確かに優秀な人がその人にあった職場で働くことも大事だけれど、それってわざわざ仕組みを作らなくても、優秀な人は必要があれば自分で自分の働く場を見つけられるし、企業にしたって優秀な人材はちゃんと情報を得て獲得してるんじゃないかな。

電機産業の優秀な技術者が海外の企業にだいぶ流れてしまったと聞いていますが、それがどのように流れていったのか、この辺りを考えればいいように思います。

労働政策は経済を成長させるためという側面もあるのかもしれないけれど、基本は人が労働者としてきちんと働いて収入を得るための政策、労働者側から、人の側から見た政策じゃないといけないんじゃないかな。

何らかの能力があって、働くに堪える体力がある人が、どこかで働いて収入を得る。労働の義務を果たして、働く楽しさ、それからきつさを知って、税金のお世話にならずに自分で稼いだもので生きていく。

それができるようにきちんと支援するのが労働政策ではないか。それは効率を優先しなければならない民間企業が果たしてできるのか?(まったくできないとはいいませんが・・)
先立つものがなければ、人間生きていけないから、「経済成長」を目指すのを否定しないけれど、成長をするってどういうことなのか、成長の先にあるものは何なのか、そんなことをちゃんと考えないと数字を大きくするために何もかも犠牲にしてしまうってことになりかねないような気がするけれど・・

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