« 「だまされない 安斎育郎さんに聞く 科学的な見方磨こう、考え行動する人に」日経新聞2014.7.5(夕刊) | トップページ | 「知的余生の方法」渡部昇一著 »

2014年7月 7日 (月)

「日曜に考える 人口減、自治体の未来は」日経新聞2014.7.6(日)

日経新聞連載日曜に考えるの7月6日は、日本創成会議・人口減少問題検討分科会が発表した推計、“全国1800の市区町村の半数は消滅する可能性がある”に関する地方代表とも言える全国町村会長の藤原忠彦川上村村長と都会側東京都豊島区高野之夫区長の意見記事でしたが、面白く読みました。

全国の会長と一自治体のトップでは、同じ首長と言えどだいぶ立ち位置が違い、全国的視野で見ている方がより迫力ある意見になるのは当たり前で、一自治体視点で語った都会代表に対し、地方の方が危機感を持って具体的・真剣に取り組みを行っているように見えたのは、地方在住者の贔屓目かもしれませんが・・

地方の代表に対し、都会の代表を持ってこないと不公平だったのでは?と考えてみたんですが、都会の代表って誰? 東京都知事が全国にある都会(大都市)の代表というわけでもないし・・都会と思われている都市は、それぞれ独自に動いているから代表なんていない・・ですかね。

さて、記事について例によってクリップ

まずは藤原全国町村会長の方から

「川上村の合計特殊出生率は2013年で1.89と高い。出生数の減少もある程度止まってきたとみている。高校生まで医療費を無料にしたり、不妊治療を助成したりするなど様々なことを実施している。しかし、そうしたことだけで少子化に歯止めがかかるとは思っていない。まずは結婚だが、村で現在、結婚する女性の7割は首都圏など村外から来る人だ。昔のように自然がある、空気がうまいというだけで、村に定住してくれる時代ではない」

いま若い方の中にも田舎の魅力に気づいてくださる方が多くなっていますが、だからと言ってそれで住もうと思う人は少ない・・当たり前ですが、首長が現実をきちんと見て、そのうえで何をすると言うか。

「医療、福祉、保健などを一体で提供すると同時に、下水道や文化センター、図書館などを地道に整備することが大事だ。今では農業は一種の知的産業になってきているから、地域整備でもデザイン性やファッション性が重要になっている。農村と都市の融合ということだ。子どもを育てる環境を整えるということは文化をつくることと同じだ。家庭はもとより、地域が時間をかけて醸成していくものだと考えている」

やることは昔と変わらないし、箱もの的なものが並んでいて気になるところではありますが、“地道に”“時間をかけて”はいい言葉だと思います。

「現在の人口は4000人程度で確かに減っている。しかし、人口は減っていても、うちの農業の生産量や販売額は落ちていない。1人当たりの収入は増えているわけで、むしろ幸せになっている部分もある。少ない人口でも頑張るためには一人ひとりが能力を発揮するしかない。そのために地域の教育に力を入れている」

やはり“教育”だと思います。ここは言うは易し・・具体的に今後何をされていくのか、町村会長としてそれをどう全国に発信されるのか、だと思います。

「日本創成会議は人口減対策として地方の拠点都市に投資を集中し、東京への流出を防ごうと提案しています。」という記者の質問に対し、

「拠点都市に人口のダム機能をもたせようということのようだが、地方にいくつもの『ミニ東京』ができるだけなら意味がない。それでは中心部から離れた地域はさらに過疎化が進む可能性がある」

もう東京の真似は“ない”です。

「今はひとつのマニュアルがあって、それでやっていけば成功する、という時代ではない。国や県には『市町村カルテ』をつくってもらいたいと思う。地域ごとの資源や人材、歴史などを踏まえて特色や欠点などを市町村ごとに分析してまとめるものだ。それを外部の第三者も交えて作成する。地域で暮らす人の力を引き出すためには、その前段の仕掛けが必要だ」

我が町・村独自のもの、手間がかかるけれど、自分たちが汗をかいて自分たちのモノを作っていくしかないだろうなと思います。“(国や県に)つくってもらいたい”という表現は気になりますが・・

次は高野豊島区長の部分

「「消滅可能性都市」といわれてどうですか。」という記事の問いに対し、
「びっくりした。なぜ、そうなるのかと。私が区長になった1999年のころには24万人まで減っていた豊島区の人口は、今は27万人を超えてV字で増えている。全国の自治体のなかで最も人口密度が高いのが豊島区だ。仕事の面でも生活の面でも便利な24時間都市なのですよ」
「しかし、冷静に考えると今後、若い世代の流入が減ってくるということなのだ、と理解した。流入人口が減るのは日本の人口が急速に減るから。つまり、日本全体の問題として考えないといけないのだろう。池袋がある豊島区は人の流出入が激しく、毎年2万人以上の住民が入れ替わるから」

「今年度で240人の保育園の待機児童を17年度までにゼロにする目標を掲げるなど、これまでも他の自治体に負けない取り組みをしてきたつもりだ。しかし、改めて出産前から子育てまで、教育や住宅支援なども含めて全庁を挙げて切れ目のない政策を打ち出す。消滅、と言われて職員はみんな危機感をもった。区内にある安産の神様にあやかって鬼子母神プロジェクトと呼んでいる」

「まず、F1会議を今月中旬に立ち上げる。F1とは広告や放送業界で20歳から34歳の女性を指す言葉だ。若い女性に集まってもらって、何が必要なのかを話し合ってもらう。行政の発想だけではだめなので」

発言を並べると“守り”を感じてしまいます。“他の自治体に負けない取り組み”“若い女性に集まってもらって、何が必要なのかを話し合ってもらう”

自治体間の競争ではなくて自分のところにあった何をするかが大事だし、区民の意見は大事だけれど、何が必要かが若い女性の話し合いで見つかるとは思えないですが・・

こちらも最後に「国にも都市と地方が共生できる社会の仕組みを考えてほしい」と、国にお願いがあります。

限られた予算の中で、各地方はお金を使わず、知恵や熱意でいろんな取り組みをしているけれど、国ががっちり財源を握っている状態だから、どんなに頑張っているところも最後は『お願い』をしなければならない。

この構造、いい加減変わって欲しいと思います。

« 「だまされない 安斎育郎さんに聞く 科学的な見方磨こう、考え行動する人に」日経新聞2014.7.5(夕刊) | トップページ | 「知的余生の方法」渡部昇一著 »

○ くらし・地域づくり・地域安全」カテゴリの記事

備忘、メモ(考えたこと、感じたこと)」カテゴリの記事

日々情報-自分用クリップ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1460910/56724363

この記事へのトラックバック一覧です: 「日曜に考える 人口減、自治体の未来は」日経新聞2014.7.6(日):

« 「だまされない 安斎育郎さんに聞く 科学的な見方磨こう、考え行動する人に」日経新聞2014.7.5(夕刊) | トップページ | 「知的余生の方法」渡部昇一著 »