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2014年10月28日 (火)

「特許、「会社のもの」へ転換方針 どうする中小の扱い」2014.10.27日本経済新聞朝刊

今年ノーベル物理学賞を受賞する中村修二氏が青色LEDの特許権譲渡と特許の対価を求めて勤務先だった日亜化学工業と争った訴訟が報道された当時、

発明は個人の資質に大きく依存しているけれども、研究は必ずしも成果を出すとは限らないし、たとえ何らかの発明があったとしてもそれがお金になるかどうかわからない。個人でリスクを取って研究を行うことは不可能で、企業の研究員として社員として身分が保障され、企業がお金を出したからこそ、結果が出せたという側面もあると言われていて、なるほどそうだなと思ったことがありました。

それでは個人の貢献と会社が負担したリスクをどのように見るのか。
昨日の日経新聞で、社員の職務発明の特許権を巡る記事がありましたので、興味深く読みました。

『社員が仕事で生み出した発明(職務発明)の特許の権利を、現在の「社員のもの」から「会社のもの」にする特許法改正の方針が特許庁の有識者会議で固まった。

詰めの課題として急浮上してきたのが中小企業の取り扱い。職務発明の社内ルールが整っていないことが鮮明になり、大企業と同様の取り扱いは難しいとの意見が出た。特許庁は対応に苦慮しそうだ。』

『「職務発明に関する特許を受ける権利については、はじめから法人帰属とする」。17日に特許庁で開かれた産業構造審議会の特許制度小委員会で、同庁の担当者が法改正案の原則を明らかにした。

20人の委員で明確に反対の意思表示をしたのは連合の代表者のみ。産業界の念願だった職務発明の特許の権利を会社帰属とする方向は固まった。
特許庁が示した原則はこうだ。(1)職務発明を特許にする権利は会社のものとする(2)従来の「相当の対価」と同等の権利「報奨請求権」を社員に認める(3)労使協議などを経て企業が報奨ルールをつくる際のガイドラインを政府が策定する――の3つだ。』

この例外として、大学や研究機関は、従業員側に帰属させることを希望した場合、認めるとしています。
これは研究者がより良い研究環境を求めて所属を異動することが多いためだそうです。

これが認められたのは、

『有識者会議のメンバーの半分以上を大学・研究機関関係者が占める。そのため、企業と異なる大学などの事情を特許庁は早くから把握しており、例外とする案の通りになる可能性が高い。』

からだそうです。
議論の場に、事情を知っているものが入っていると意見が反映されやすいということですね。
これに対し、新たな課題として浮上しているのが、中小企業の取り扱いだそうです。今回日本商工会議所の意見書が示されたことで明らかになったことらしいですが、元々委員の中に中小企業関係者は1人しかいなかったそうです。
『「中小企業の8割が職務発明に関する社内規定をもっていない。中小は現制度のもとで大きな困難に直面しているとは認識しておらず、中小に過大な負担を強いる見直しは望ましくない」。こうした内容の日本商工会議所の意見書が有識者会議で示された。
意見書で日商は「知的財産活用の面では特許は法人帰属が望ましく、高度な技術力の維持強化のためには発明者に帰属させることが望ましいこともある」と説明。個別企業の事情によって取り扱いを選べる方が、中小の実態に即していると強調した。』
社員が発明をした場合の影響は、大企業より中小企業の方が大きく、その扱いが会社の命運を分けることもありそうな気がします。
中小企業の意見がきちんと反映された法整備がされるよう願っています。

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