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2015年6月21日 (日)

「超プラス思考で、モチベーションを高めてまちづくりを実現!」月刊ガバナンス5月号 木村俊昭氏

どこに行ったか分からなくなっていた雑誌が見つかったのでページを開いてみるとメモを残したくなる記事が載っていました。

自治体職員の業界誌(?)「月刊ガバナンス」、ごく一部の地方公務員しか読まないかもしれませんが・・
東京農業大学教授、木村俊昭氏の記事です。



木村氏は1984年に北海道小樽市に採用されたのですが、2006年に内閣官房・内閣府企画官に。一自治体の職員さんが全国の仕事を任せられたということでどれだけすごい人な
のかがわかります。

○地方創生に係る「地方版総合戦略」について

自治体が15年度中に総合戦略を策定することになっていますが、
『これまでの自治体の計画は現場をよく見ないで、数%の人たちの意見を聴いてつくることが多かった。その人たちが現場の実情を把握し、その意向を反映してくれるならばいいが、必ずしもそうとは限らない。すると数%の思いが中心になってしまう。そして、そのようにしてつくられた計画を自治体は住民にいきなり広報する。そこで初めて住民は計画を知り、驚くことになる。』

『選ばれた人だけでなく、自由に住民が参加できる場づくりが必要だ。そこでは要望も多いが、対話によってこれまで出てこなかった意見や、全く声を上げなかった人たちが自分のまちに関心を持って動き始めている。
今回の総合戦略は広聴重視でつくるべきで、自分たちのまちは自分たちで悩み考え抜いて創っていくんだと再認識する機会になると考えている。』

すごくわかります。学識の方であったりとか、長年取り組んでいる専門家の方が自治体の委員として意見を言って、立派なものができていく。でもまちはそんな人ばかりが住んでいるわけではなくて、大半は普通の人。できるだけ多くの、まちのいろんな人がどんなまちをつくるかを考えることが大事だって思います。

『首長と議会が対立することがあるが、住みやすいまちづくりをしたいという思いはみんな同じなはず。大事なのは、自分たちのまちの暮らしぶりをどうするか、それを子どもたちにどのように継承していくかということだ。
これまでは、決まったことだから了承してくれという説得の行政が主だった。そうではなく、まず広聴し、行政だけではなくみんなでつくり上げた政策や計画を、案段階でもう一度広聴して意見を聴き、でき上がった計画を広報する手法が求められる。
するとこれまでとは何が異なるのか。まず、住民がまちの現状と課題を知って気づく。人は自ら知り気づかないと行動に移さない。』

世の中が複雑になって、いろんな価値観の人がいて、それを上からこれで行きましょうというのはもう無理な状態になっています。当事者が自分で気づいて、自分で考えて、自分で行動していく・・・しかないと思います。

○「全体最適」に必要性について、企業誘致を例に

『順番を間違え、最初に企業誘致から取り組む自治体がある。一番大事なのは地元の主産業、基幹産業だ。地元の主産業が地域内のどこと取引し、外と取引しているのであれば、地元内企業にできないか徹底的にお手伝いしていく。まずは地元の主産業に情報をしっかり伝えていくことが必要だ。2番目にそれに関連する業を起こす。(略)
その上で、3番目に企業誘致なり、必要な人財に来てもらうための展開をしていく。』

『・・・地元企業こそだ大事だ。そこを重点的にヒヤリングして産業の活性化を考えるべきであり、企業誘致はあくまで3番目。3番目から始めると地元の主産業はガタガタになってしまう。
これが「全体最適」。まちの企業や農業、商店街、中心街、温泉街がそれぞれバラバラに動くのではなく、同じまちで一緒につなぐことはできないのかを考えていく。』

○職員としての二つの目標

小樽市の職員になるときに二つの目標があったそうです。

『もともと公務員になろうと思って大学に行き、1年から3年までの間、全国を回っていく中で、自分のまちのことを知らな過ぎると感じた。
二つの目標の一つ目は、まちの産業、歴史、文化を徹底的に掘り起こして研きをかけて、世界に向けて発信するまちづくりをすること。二つ目に、それをやるときには、大人だけでなく、未来を担う子どもたちが一緒になって地元への愛着心を持てるように育んでいく人づくりを行うこと。』

○自治体の職員に対して

『役所では出る杭は打たれるし、抜かれる。でも、何も悪いことをするのでなければ、超プラス思考で取り組んでいった方がいい。そうでなければ孤立し、くじけてしまう。一人ではできないのでパートナーが必要で、多様な世代と交流する。そして、急がず、焦らず、慌てず、近道せずに、決して諦めないで取り組んでいけばいい。』

『よく「何から始めたらいいのか」という質問を受ける。大事なのはまず自分の仕事。仕事を通じて、住民のみなさんのために何か改善できることはないか考える。ライフワーク上のことについては、行政職員になったらこれだけはやるぞ、というバケットリスト(死ぬまでにやりたいことのリスト)を定めて取り組んでいくことが大事だ。
希望とは異なる職場で、異動したいと思っている職員もいるかもしれない。でも本業は仕事と人生と考えれば、仕事上では改善をしながら、より住民のために取り組んでいく。
ライフワークとしての目標は、休日に行えばいい。こういう形で自分のモチベーションを高めていく。』

○定員削減で厳しい状態の自治体の状況について

『まず自分たちの仕事を整理し、再検討する。行政職員の中で欠落しているのは、人件費換算をせず、費用対効果を考えないこと。もう一つは、「自分は異動して来たばかりなものですから」と言うこと。』

・・・『この点は、民間から見ればまだ甘い。』

どの項目も何度も読んで、考えたいと思うことばかりです。

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