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2015年9月22日 (火)

「ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争」 D・ハルバースタム著

朝鮮戦争と聞いて、戦後生まれの日本人の私は、この戦争により起こった特需が、日本が第二次世界大戦敗戦から経済的に復興するきっかけになったくらいにしか考えていませんでした。

本の中に朝鮮戦争は、アメリカでは「忘れられた戦争」と言われているとありました。

序盤に勝利し、アメリカ側では簡単に終わると思われた戦争が、中国の参戦により、アメリカ側が予想もしなかった犠牲を出しました。多くの犠牲を出して、結局は、現在韓国と北朝鮮を分けている38度線で国境を確定する形で収束した戦争です。

忘れられた戦争と言われていますが、この戦争に直接関わった人にとっては忘れがたい戦争です。

アメリカ人の著者が10年をかけて背景を調べ、当時戦場にいた方々に取材をして書かれた大作です。
朝鮮戦争をアメリカ側から描いています。
司令部と現場で戦っている人たちとの情報・認識の違いの大きさ、戦争が政治的なかけ引きで続けられた実態が丁寧に書かれています。

日本の戦後処理で評価されているマッカーサー将軍がこの戦争を泥沼化した張本人として描かれています。
自分の名誉のためには、末端で戦っている兵士の命を何とも思わなかった人。
マッカーサー将軍に限らず、上層部はあまりに人の命に無頓着です。

そして、従えば自分が死ぬかもしれない事態でも戦場では上官の命令は絶対。
命をかけても組織の秩序に従って何を守っているのか。

戦争の進めたアメリカ人の中には、アジア人に対する人種差別もありました。
「アジア人は小さくて、産業や技術のせいかも劣った世界の劣等部分の出身であるため、劣等民族であり、アメリカの技術とアメリカ軍部隊には太刀打ちできない。」

中国軍の戦いに苦しめられたにも関わらず、この差別意識は、その後のベトナム戦争でも引き継がれています。

国の威信をかけて戦う。戦争をそんなふうに表現しますが、この戦争で目につくのは個人の歪んだプライドと政治の駆け引き。
これは、この戦争だけの話なのでしょうか?

戦争って何なんだろう? と考えさせられます。

いま、自分が平和な日本の中で、戦争を考える際に想定している状況は、日本あるいは同盟国と言われる国が他国から攻撃を受けた状況で、その時にどうするかということだけではないか?

そもそもどういう国・組織からのどういう攻撃が想定されるか?
北朝鮮?イスラム国? 
攻撃をする可能性はあるのか、もし仮に攻撃を受けたとして、戦争という手段で解決が図られるのか?

戦争について考えるには、過去の歴史を知る必要があるし、過去の戦争も知らないといけない。

あまりにも知らない中で、漠然と戦争を考えていないか?

それから、
私はあまりにも隣国を知らなすぎる、あまりにも隣国に関心がなさすぎる。

日本の中で、のほほんと平和に浸っているけれど、近隣国がいまでも決して安定した国ではないこと、他国との関係を考える際には、現在の姿だけを見るのではなく、過去の歴史を遡って立体的にその国を見なければいけないこと、多数派の見方が真実とは限らないから、自分の頭で考えておくこと。

読んでいる間、いろいろなことを考えさせられました。まとめられませんので、ほんの一部だけ書いてみました。

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