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2016年2月20日 (土)

『有訓無訓 サイマル・インターナショナル顧問 会話通訳 長井鞠子』日経ビジネス 2016.02.22号

長年日英・英日の会議通訳を務めてこられた長井氏への取材記事ですが、

記事の中、1979年開催された国連貿易開発会議(UNCTAD)総会後の当時の首相、大平正芳氏とフィリピン人の記者とのやり取りのところで、なぜか涙がでました。

引用させていただくと

『大学卒業と同時に始めて、以来40年以上、日英、英日の会議通訳を務めてきました。最近、改めて痛感しているのが「発する言葉の大切さ」です。

語学力だけではありません。人に対して発するコンテンツをどれだけ備えているのか、という点です。  

今も強烈に覚えているのが、1979年、大平正芳首相がマニラで開かれた国連貿易開発会議(UNCTAD)総会出席後に行った記者会見での発言です。

現地のフィリピン人の記者から日本が「エコノミックアニマル」と呼ばれていることをどう思うかと聞かれ、こう投げ返したのでした。  

「私たちは花鳥風月を愛する、自然を愛する民族です…江戸には『宵越しのお金は持たぬ』ということわざもあります」と。

これをサイマル・インターナショナルを立ち上げた通訳者の村松増美が非常にうまい英語で伝えると、記者は面食らったような反応でした。』

当時、日本では、どちらかと言えば話のうまくない首相として、評価されていた大平首相ですが、このやり取りを読むだけでも教養を持った頭の良い方だったのだろうと想像できます。

エコノミックアニマルという言葉で日本を一面的にとらえるのではなく、いろいろな顔を持った日本を知ってもらいたいと思われたのだろう。

そしてそれを最高の通訳者である村松増美氏が絶妙に英語で伝えられたのだろうとその場の様子が目の前に現れたようでした。

これだけではわかりにくいですが、それは記事そのものを読んでいただくとして。 通訳の仕事をされてきた長井氏がいいたかったのは、自分の思いを言葉にする大切さ

『にじみ出るような中身のある人間に誰しも簡単になれるわけではありません。であれば、せめて自分が思っていることを口に出して言葉にする訓練をしてほしいと思います。』   

『日本が2000年の沖縄サミットで提唱して設立した「グローバルファンド」という国連機関があります。エイズ、結核、マラリアの撲滅に取り組んでおり、大変な成果を上げています。

ビル・ゲイツ氏も巨額の資金を投じてくれていますが、日本が主たる出資者である割に日本人スタッフが少ない。スイスの本部で「なぜか」と聞くと、「採用試験には英語が堪能な人も含めたくさんの日本人が受けに来るが、アピール力が足りない」という。多くの人が「書類に書いてある自分の実績を見てほしい」と言うそうです。  

なぜ、自分がそこで働きたいのかという熱い思いをその場で自分の言葉で語らないのか。不思議でなりません。確かに日本人は律儀なところがあって、「自分に任せてくれれば、これもあれもできる」と主張するのが苦手です。』

『グローバル化が進み、コンテンツがなくてもしゃべらなくてはいけない時は確実に増えています。まず日本語で議論できるかです。言葉にしなければ何通じません。言葉で戦えるのか、ということを認識することが問われている時代ではないでしょうか。』

そしてさらに言えば、議論をするために、自分が触れるもの・・すなわち、日々の出来事、社会で起こる事、過去から未来などなど、について常に自分の頭で考えるということが大事だと思います。

ところで、なぜ涙がでたか・・・そこはよくわかりませんが・・・

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