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2016年4月17日 (日)

小さな活動に光る原石~自治体の認知症戦略(提論 明日へ)2016.4.17西日本新聞朝刊

今日の西日本新聞、日曜日に連載されている「提論 明日へ」は医師、日本プライマリ・ケア連合学会理事長の丸山泉さんのご担当。 「自治体の認知症戦略」というタイトルのお話です。

認知症はこれから年を重ねる自分にとって大きな問題ですが、高齢化がますます進む日本全体にとって「最優先の課題」として、誰もが考えなければ問題になります。

記事を引用すると

「国家戦略としての認知症対策は、福祉先進国といわれる幾つかの国では有効なものとして現場で活用され高く評価されている。高齢者人口に対して圧倒的に不足する担い手人口の推計にも関わらず、最も切実なはずの日本においては、いまだ現場の諸問題が解決されているとは言えず、出遅れている感は否めない。認知症の方のみならず、ご家族に大変な労苦を強いている。」


「認知症は疾病であるが、及ぼす影響の大きさから社会問題として捉える必要がある。医療に軸足を置きすぎると解決しない。医療は必要な時に必要なことを限定してやる脇役でよい。大切なことは、認知症をコミュニティー全体で支えていくという、国家戦略というよりは極めて身近な問題としての「認知症自治体戦略」である。」


ここで福岡県大牟田市の取り組みを取り上げておられます。

大牟田市は「・・・地域の人たちが日頃から見守り、行方不明になったら声を掛け合って捜す、認知症になっても「安心して外出できる」まちづくり」という取り組みをしているそうです。

そしてそれは、20年前にデンマークで障害者の生活を可能な限り障害のない人の生活に近づけるノーマライゼーションを学んだ大谷るみ子さんの活動から始まっていることが書かれています。


「大牟田という地に落とした一滴が20年を経て波紋のように広がり、彼女の継続の力によって全国でも稀有な活動として続いている。」


「大牟田の事例から学ぶことは多い。小さきものから大きなものへ見事に運動が拡大していくありさまである。主たるものは本人の強い意志と無私の力ではあろうが、小さきものが各界を巻き込みながら、いわば「認知症自治体戦略」を作ってきた過程は、認知症に限らず、これからの地方公共団体の意思決定のあり方の大きなヒントとなる。」


「・・行政側からいうならば、小さき市民の声や活動の中に光りうる原石を見つけ出す力量があるか、そのようなものに常に耳を澄ましているかが問われている。」


自治体は住民の方から預かった税金を使って様々な取り組みを行うことができますが、税金であるが故に大きな失敗は許されません。

事業を担当する職員は人事異動で数年で替わり、職員がどんなに情熱を持っていても継続して一つの事業を担当することは難しい。

ましてまったく畑違いのところから配属された職員は、まず何から始めていいのかさえもわかりません。

担当が替わるたびに取り組みが“一から”とは言わないまでも大幅に後退してしまいます。

また、予算が限られているので、数年という短期間で成果、あるいは方向性が見えなければ、取り組みの継続は難しい。


そんな構造的な問題があって、自治体そのものが、新たに出てきた課題に取り組むのは難しいと常日頃感じていて、地域の課題を解決するために活躍する主役は、もはや自治体ではないのではないかと考えていたので、この記事、まさにと感じました。


「次々に行われる改革の中で、社会保障関連においても、国から課せられる矢継ぎ早の事業の連続によって地方公共団体は振り回されているように見える。財政的にも厳しいところが多く、人の面での余裕もないのであろうが、これから事態が窮迫すればするほど、この構図は顕著になるだろう。

その地方に必ず隠れている光りうる個人や活動をいかに発掘していくか、地域の人的資源に重きをおいているかが将来を決定する大きな要因になり、問題解決への近道であると考える。鍵は、地域の日常の営みの中にある。」


地域のことは自治体が一番知っているし、自治体こそが地域を作ってきたという思い込みを自治体は捨てないといけないだろうし、様々な個人が様々な活動をする中から地域が必要とする活動を見つけ出し、行政しかできないサポートをしていく、自治体にはいわば目利きの能力が必要になるのだろうと思います。


地域のプロとして業務に携わっている自治体の職員一人ひとりが、地域はだれのものなのか、我が地域はどうあるべきか、地域のために何をすべきであるか、謙虚な気持ちを持って原点に立ち返ることも必要かなって考えるところです。


地域のことを熱く考えている人ほどに、強い意志と無私の気持ちがないならば、活動している方々を黒子として支える。

そういう気持ちでいることが大事じゃないかなと思います。


そして・・・

強いリーダーシップを持ったリーダーが地域を良くしてくれる。もうそんな時代ではないように思います。


記事の終わりは、「小さきものにこそ力がある」

・・・いままでの発想を変えないといけないなあ~と感じます。

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