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2017年1月

2017年1月15日 (日)

「知の仕事術」池澤夏樹著

2017年1月、集英社からインターナショナル新書が創刊され、5冊の本が出版されるという新聞広告を見て、新しいシリーズの新書が出ることと本のタイトルに惹かれ、最近本代がかさんでるよねと躊躇しながらも買った一冊。

少し前に読んだ池上彰氏と佐藤優氏共著の「僕らが毎日やっている最強の読み方」と同じように、道具としての「知」について書いた本かなと思っていました。

“はじめに”は、

『しばらく前から社会に大きな変化が目立ってきた。
人々が、自分に十分な知識がないことを自覚しないままに判断を下す。そして意見を表明する。そのことについてはよく知らないから、という留保がない。
もっぱらSNSがそういう流れをつくった、というのは言い過ぎだろうか。』

から始まり、個人が安易にインターネット上に表明した意見が、社会を動かしていく状況が書かれています。

そして、

『この本はそういう世の流れに対する反抗である。
反・反知性主義の勧めであり、あなたを知識人という少数派の側へ導くものだ。』と書きます。

カバーの紹介には、『混迷深まる現代を知的に生きていくためには、「情報」や「知識」だけでなく、さらに深い「思想」が必要だ。』ともあります。

そういう本なのねと理解した上で、読み進めるうちに
池上氏&佐藤氏の本が道具としての「知」をいかに手に入れて使っていくかを書いた本であるのに対し、この本は「情報」や「知識」を集め考えて、文章にする=自分の思想を文章として表現する(アウトプットする)ことについて書いた本  
と自分では理解しました。

情報や知識と書かれていながら、本について書いた部分がかなり強く印象に残りましたが、随所に出てくるエピソードに、知識人と呼ばれる人たちは、どのようにしてそれほどまでの知識を集めていくのかと気が遠くなりました。

読み終わって、年取った非知識人が今更ジタバタしてもと絶望的な気持ちにもなりましたが、
それでも自分なりに情報を集めて理解し、自分の頭で考える続けることが大事で、そのために文書を書いてみる(もちろん、よく知らないけどと断りながら)のは意味があることではないかと思い直しました。


知的好奇心の強さが伝わる本で、読み始めたら面白くて最後まで一気に読んでしまいました。
新しく出る本にもこんなに面白い本があって、その上、過去の名著も読みたい本がたくさんあります。いままで本を読んでこなかったつけは大きいですね。
読みたい本を全部読むには、とても時間が足りないです。

2017年1月14日 (土)

「親の介護をする前に読む本」東田勉著&「ライフシフト」リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著

「親の介護をする前に読む本」を読んで、「ライフシフト」を読んでいます。

読みたい本がたくさんあるのに遅読なので、一冊を読み終えるのが待てず、複数の本を並行して読んでいます。

「親の介護・・」と「ライフシフト」もたまたま同じ時期に読んだだけで関連性はなかったんですが・・・

「親の介護・・」の方は、「する前」ではなくて、まさに介護中(といってもほぼ関わっていませんが)で、気になって手に取ったものです。

新書なのですが、読み応えあり。
介護に関する情報を持つと持たないでは、介護される人、介護する人の状況が大きく違ってくるんだなあと目からうろこでした。

介護や死は、日々生活をしていたら、やがては来るものであり、毎日朝が自然に迎えられるように、自然に受け入れていくものと思っていたんですが、本人や周囲がきちんと情報を集めて、努力をしていけば違う結果が生まれるんだなあと・・

プロローグの中で、20代で母親の親の介護に直面し仕事を辞めて50代まで介護中心で生きてきたけれど、それを明るく受け入れた女性と介護に疲れ親と心中しようとし自分だけ生き残ってしまった女性の例が上がっていました。

違いは、最初の女性が介護サービスを利用して、上手に自分の負担を軽減したこと、母親の介護を通じて人脈を広げたこと。

環境も2人の個性も違うだろうから、単純にそれだけではないでしょうが、情報を集めてそれを利用していくことが、人生を変えることになるんだなあと感じました。

自分が知れば、より良い介護を受けてもらえる。

人の最期は必ず来るものだから、その最期までできるだけ本人に幸せに生きてもらうためには、延命をしない選択肢もある。

ただ受け入れるだけでなく、親のためにもっと介護を知ろうという気持ちにさせられました。


そして「ライフシフト」。人の平均寿命がどんどん伸びていく、近いうちに100歳になるだろうから、それに備えた生き方に変えて行かなければならないという話。

100歳まで生きるとすれば、人生を教育→仕事→引退と3つに分けていたいままでの生き方では、引退後の期間があまりにも長くなるし、仕事の期間で稼いだお金では引退後の生活を維持できない。

80代あるいは生涯働き続けることが当たり前になり、そのためにはそれまで働き続けらえるようスキルの学び直しが必要であるし、働き続ける心身を維持しないといけない。

最初の介護がより良い生そして死を迎えるために学ぶということならば、これはまさに自分がより良い生、死を迎えるために学ぶ話なんだなあ。

愛情だけで介護はできないし、年を取ってきつくても引退も出来ない時代になったと考えるか?

野生動物は生きるために死ぬまで自分で餌を取り、身を守る。人間だって動物なんだから、生きるために死ぬまでできることをしていく。

これからの世の中、人間本来の姿に戻る時代になるって考えてもいいかな。

「ライフシフト」は、まだ途中。読み進めて、また発見があるかも。

2017年1月 6日 (金)

「僕らが毎日やっている最強の読み方」池上彰、佐藤優

テレビの露出度が高い池上彰氏とものすごいペースで本を出版されている佐藤優氏の本を読みました。

このお二人の本を本屋さんで買うのはハードルが高い。

流行りものに手を出している人って見られないかなあとつい手が止まります。

この本もお正月に行った本屋で平積みになっていたものをしばらく見ていて、面白そうだなと思いつつ、レジにいけなかった。

でも結局気になって、Amazonでkindle版を買ってしまいました。

「本の読み方」とか「読書」とかタイトルがあるとつい買ってしまうほうで、すごく本を読む方、本好きの方の書いたものに、“そうそう”とか“へぇ~”とか、読む量も読み方も話にもならないレベルでありながら共感したり、関心したりしています。

今回も著者二人は知識も教養もずば抜けていらっしゃるので、そのまま参考にしようなんて大それたことは全く考えませんでした(はなから無理ってことがわかるし)が、情報の触れ方、本の読み方についていろいろ学ぶことがありました。

新聞、雑誌、ネット、書籍、教科書・学習参考書に章を分けて対談形式で書かれていて、情報収集に関して、お二人の共通点、相違点がわかります。

相手に違うところがある時は、自分なりの方法をしっかり確立されているはずなのに、それでもいいところは取り入れようとされていて、知への探求心の強さを感じられます。

佐藤さんがはじめの方で『知は「武器」であり「楽しみ」でもある』と仰っていますが、この本を読むと武器はさすがにもう必要ないと思うのですが、知ることを楽しみにできたらいいなと思います。

この本からノウハウも学べますが、私にとっては、働く者(佐藤氏は「ビジネスパーソン」という言い方をされますが)として、何を大切にするか、どういう心構えを持っておくべきかを考えさせてくれる本でした。

ちなみに池上さんの番組は気になって見始めますが、すごく簡単な解説もたくさん入れて説明される番組も多くて退屈してしまって終わりまで見れませんし、佐藤さんの本は割と好きなのですが、最近は多すぎてどれを読んだらいいのかわからないので、読めていません。

2017年1月 3日 (火)

『展望2017(5)「賃上げは利益に」共有を 大阪大教授 大竹文雄氏』2016.12.31日経新聞朝刊

数日前、昨年末の記事ですが、日経新聞の特集『展望2017』の5回目は労働経済学者の大竹文雄氏でした。

記者の質問に答える形で記事が構成されています。

「問い」に対し、答えた部分で気になったところをクリップします。

(問2)資本主義は機能不全に陥ったのですか。

 「そうではない。資本主義が広がったおかげで世界は豊かになった。新興国が豊かになり、先進国が得していた部分が少なくなった。社会主義が出てきた時、資本主義国は福祉の充実や公的部門の拡大で所得格差を縮める努力をした。それがいま足りなくなっている」

・・・資本主義は、福祉の充実や公的部門の拡大など、所得格差を縮める努力をしなければならないシステムであることを理解して、そのために今政府が何をしているかを知らなければならないし、やるべきことが不足しているとしたら、危機感を持たなければいけないし、いま何が必要かを考え、発言するということも大事だと考えます。

(問3)具体的に何をすべきですか。

 「一つは税や社会保障を使って、低所得者の賃金を補助することだ。もう一つは若者や中高年への教育投資をすることだ。企業に賃上げをしてもらうことは難しい。労働分配率を高めないと社会システムを維持できないという認識が共有され、賃上げによってより利益が上がるという考えが広がるといい」

・・・「低所得者の賃金を補助」することも「若者や中高年への教育投資」もやるとしたら、やり方の方が問題ではないかと思う。補助すべき「低所得者」の定義は何か。「賃金」に対し補助するのか?「教育投資」という時の「教育」の中身は何か?等  

「企業に賃上げをしてもらうことは難しい」というのは確かにそうかな。いくら首相が賃金を上げよと言ってもメリットがなければ企業は動かないのではないか?

「労働分配率を高めないと社会システムを維持できない」というところはまさにと思います。

企業も社会システムの上に存続しているのだから、長期的な視点を持てば、今利益を上げればいいという発想では駄目だというのはわかるはずなのに・・・「労働分配率を高めないと社会システムを維持できない」は、当然共有されて欲しい。

(問4)日本は賃金の伸び率は低いままです。

(前略) 

 「日本をはじめ、先進国の長期停滞論がいわれ始めた。財政政策では、一時的な需要をつくれても持続的な成長は実現できない。企業経営や働き方を変えるような地道な取り組みの積み重ねでしか、成長は高められないからだ。長時間労働で、生産性が低い日本は非効率な点を改善する余地がある」

・・・財政政策は一時的な需要を作るもので持続的成長は実現できず、「企業経営や働き方を変えるような地道な取り組みの積み重ねでしか、成長は高められない」・・そのことに気がついていないのか、地道であるがゆえにわかっていても無視されているのか・・・長時間労働に意味があるかどうかを真剣に考えないといけない。いい加減、長時間労働を美徳と考える見方はなくなって欲しい。

(問6)財政の立て直しも課題です。

(前略)

 「賃金が下落したら年金も抑制する法律を野党は年金カット法と呼んだが、シルバー民主主義を克服する手段としてその内容を高く評価している。経済を活性化しないと年金が増えないということを意識するようになれば、高齢者は若者をサポートする政策に賛成しやすくなる」

・・・いままで積み立ててきた年金の財源が確保されているわけではないので、財政が破たんしたら年金もどうなるかわからない。それなら年金を受給する高齢者も日本経済に貢献しないといけないのではないか。

直接経済活動ができないなら、若者をサポートする政策にお金を使うことに反対してはいけないのではないか。

抜き出し始めたら、全文クリップしたくなってしまいましたので、別に保存しました。


記事中その他の質問

(問1)反グローバル化のうねりが出ています。
(問5)なぜ、物価は日銀が描いた通りに上がらないのですか。

2017年1月 1日 (日)

2017年元日

明けましておめでとうございます。

2017年が始まりました。

朝早く起きて・・お正月でもありますし、久々2012年ー2021年の10年日記帳を見ました。
久々ということは、あまり書けていないということですが・・・

この日記の最初の方に「年頭にあたり」というページがあって、抱負などを書く欄があります。

世相という欄は、「政治」、「マネー・経済」、「社会」、「科学・環境」、「国際」、「スポーツ・芸能」、「地域」に分かれていて、それぞれ1行程度書けるようになっています。

いままでお正月にこの日記を開いたことがなく、2012年から2016年まで空白ですが、書いていたらよかったなと思います。


この「NAKAKIRA(ナカキラ)の地域で見る「いま」日記」も「九州、福岡の地で見える世の中。地方目線で「社会」や「地域」に関する話題を時々アップしています。」ブログですから 、ブログのも書いているとおり、「5年後、10年後に読み返したときに、自分が見た「いま」がどう見えるか?」。

自分の眼で見ていた過去を自分で読み返して「今」を考えるために書いているところもあります。

このところ、このブログを書くエネルギーが落ちていますが、今年はもう少し更新を頻繁にして、自分の目で見たいまの記録をもう少し多く残していきたいと思います。

それでは、今年もどうぞよろしくお願いします。

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