○ 仕事・産業

2016年9月12日 (月)

「農産物の輸出を成長に。世界の和食人気が・・・」日経ビジネス2016.09.12賢人の警鐘

日経ビジネス最終ページの連載「賢人の警鐘」は前にも書きましたが、毎回楽しみにしています。

最新号はキッコーマン取締役名誉会長・取締役会議長 茂木友三郎氏の「農産物を成長に。世界の和食人気が追い風。政府に頼らず好機生かせ」。

『いま、世界中で日本食への関心が高まっている。』で始まり、海外での日本食への関心の高まりが、『日本の農林水産物や食品の輸出を増やすチャンスだ。』と言われます。
政府が掲げる輸出額の目標を達成するために、『・・政府と民間がそれぞれの役割を果たしていかなければならない。民間も本気になって、自己責任でやる必要がある。』

記事の中に書かれていますが、キッコーマンは1957年に米国サンフランシスコに販売会社を設立して、いまや海外に7つのしょうゆ工場を持ち、世界100カ国以上でしょうゆを販売されているそうです。

そこには、『(1957年)当時の政府には食品を輸出しようといった考えはなく、我々も政府に何かを頼むこともなかった。』、
『社内で「営業の神様」と言われた幹部社員を派遣し、苦労して販売数量を・・・。民間が自ら努力しなければ輸出は伸びない。』とありますが、

自社で苦労をしたから、“それぞれの役割”、”民間も本気になって”、”自己責任”という言葉が出るのだろうと思います。
政府の役割については、

『政府の役割は全体の方向付けや目標を掲げるほか、民間が仕事をしやすいように具体的な情報を提供したり、相手国の法律や規制などが輸出を妨げる場合は交渉したりすることだろう。実際のビジネスで政府に手取り足取り助けてもらおうという考えはダメだ。』
全体の方向付け、目標設定、具体的な情報提供、相手国との交渉・・政府は政府しかできないことをやるべしであり、

『民間は見本市などのスポットで海外に出るのではなく、飲食店やスーパーなど日常の中で売れるルートを作り、自らのマーケティング活動で商売を増やしていく必要がある。』
と述べられます。
農産物の輸出には農業そのものを強くしなければならないとも言われます。

そして、『日本食がなぜ受けているかを改めて考えると、おいしくて健康に良いというのが一番のセールスポイントだ。』と言われます。

農業そのものを強くすることについての意見や最後の方は省略しますが、輸出を伸ばしてきた方が語る「賢人の警鐘」は、政府=輸出を促進する側と実際に輸出を行う側、そして農産物を作る人が何を考え、どう行動するのかを考えるのに役立つ記事だろうと思います。

茂木会長は茂木会長の結論を出しておられましたが、『日本食がなぜ受けているか』から自分なりに考えていくのも面白いのではないかと思います。

農産物、食品に限らず、これから世界を相手にしようとする純日本的な物の生産や販売に携わっている人はやり方次第でワクワクできる。
簡単じゃないと言われるかもしれませんが、そんな仕事がやれるなんて、羨ましいなと思います。

2015年8月27日 (木)

バランスが大事

某日、最初に対応した職員さんが不在の時、お客様から問い合わせがあって別の職員が対応をしていました。

バタバタした後、事態は収束したようでその職員は通常業務に戻りました。

何事かずっと気になっていたので、何か説明があるかと待っていたのですが、特になし。

気になるのでさりげなく、「今のは何だったの?どうなったの?」と尋ねたところ、「明日Aさん(不在の職員)が来られてから、Aさんと話をするつもりです。」で終わり。

それで、「どういうことだったの?」と聞くと、「報告をしなければいけなかったですか?」ともうきつめの口調。

日頃から、まず優先すべきはお客様、お客様にとって何が一番良いかを考えて仕事をしましょう・・と言っていますから、当然私がお客様を心配して聞いているってことをわかってくれると思っていた。

ところが、私から業務の進め方を聞かれたと思ったのかな~

そのほか、セミナーの講師が一人に偏ると「なぜ私ばかりが」と言われたり、各職員にすごく配慮して出勤日を設定しなければいけなかったり・・・

あなたが講師をしてくれた方が(うまいから)お客様が喜ぶと思うからあなたにしてもらうと理由をきちんと説明したり、よろしくお願いしますといいつつ皆さんの予定を見つつ勤務日を調整したり、やるべきことはやっているつもりですが。

思うに我が職場、労働相談なるものをやっていることも影響しているかと・・・

例えば 制服への着替えの時間が労働時間に入るかいなか。

有給休暇、休むのに理由はいるか。

着替えの時間・・業務に必要かいなかで判断される。例えば製造業の危ない職場で会社で決めた格好で作業をしないと危ない、例えば安全靴をはくとか。そうした時は着替えの時間も労働時間に含まれる。
あとは・・・慣例でだいたいのところはわかりますが、あとは裁判で争ってもらわないと明確には言えない。が正解かなあ~

有給休暇・・有給休暇を取る際に理由はいらない。だから社内でいろいろ理由をつけて、その理由じゃないと有給を認めないとするのは、労働基準法では問題になる。

ですから、労働相談として相談を受けた際は、有給休暇に理由はいりません、とれますよって回答になります。

だからといって、会社のなかで、着替えの時間数分を労働時間にカウントして賃金を払えとか、有給は申請して業務に大きな支障がない限りは認めないといけないと主張されても・・・

じゃ、勤務時間中に煙草を吸いに喫煙所に行ったり、水分補給にお茶を飲んだりする時間は労働時間じゃないと言われたらどうか?

みんなが自由に有給休暇を取りだしたらどうなるか。

法律だけで考えると会社が回らなくなる事態が生じてくる。

しかし、公的機関の相談はあくまで基準が必要だから、労働法の世界でお答えする。

本当は、制服着替える時間と同じように煙草の時間だとかお茶を飲む時間とか、職場の中で会社の事業に直接貢献していない時間があって、それをすべて労働時間かどうか判断するのは難しいかもしれませんねと言った方がいいかもしれない。

もちろん我が職場の労働相談ではそんなことはいいません。

第一そんな回答をするためには、法律の知識のほかに、経営側の知識もいるだろうし、場合によっては心理学などの知識も必要になる。

そしていろんな考え方があるなかで、正解がなんなのかもわからない。

公的機関では当然お答えできません。

で主に労働法に準拠して相談を受けている我が職場の相談員さん、自分の職場についても労働法的な解釈が強く、権利意識の方が強い。
事務所全員が相談員ではないけれど、職場全体の雰囲気もそういうふうになっています。
それでいいのかなあ~?

法律だけでは割り切れないとみんな思っている中で、確信犯的にうまくすり抜けて社員さんに荷重労働を強いているブラック企業はともかくとして、会社・組織が上手くいくために一般社員・職員の立場の人も会社のために 『自分が』どうすべきかを考えていないといけないんじゃないか。

それが何で、どこまでなのか・・

それがわかるためには、「働くってなんなんだろう」ってことを考えなければいけないんじゃないかなと。

それはそれとして、職場内がうまくいくため、労働法で決められた部分とグレーな部分、よくわからない部分、どこまでやるか・・・バランスが大事じゃないかな~

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2015年4月18日 (土)

女性の管理職が増えている

我が組織、遅めの定期人事異動の内示がありました。

内示段階なので、全体像はわかりませんが、聞く範囲では各部署で女性のトップが増えたような気がします。

我が組織で課のトップになる年齢はだいたい50代に入るか入らないかぐらい。

この世代の女性たちが採用された頃は女性比率が上がり始めた頃で、その当時といまのトップの比率を見るとまだまだ女性は管理職に就けていないなあと思います。やはり男性優位の組織です。

そんな中で今回トップに就いた女性を見ると

(男性よりもずっと)仕事ができる、穏やかな雰囲気、華がある人が多いと思います。
男性ではなく、女性を推薦して役職に就けるという役割は、女性管理職が少ない状況では、まだまだ男性の役割になっています。

能力があって管理職に推薦したいと思う女性がいてもそれだけでは駄目

男尊女卑のバイヤスがかかっている男性もいる中で、男のくせになんで女性を選ぶんだという批判(?)をかわすためには、その人たちから見ても「この人だったら仕方ないかな」と思わせる人でないと。

それで、とっても仕事ができて、しかし、穏やかに組織を束ねられるような方がトップにつく。

女性だって多様な人がいますから、今後は女性も多様なトップが出て来るはずですが、過渡期として男性も女性も認める女性が組織を動かしていく。

男性とは違う組織運営をされていくと思います。

女性のトップが増えたということは、男性トップの運営とは違う(「今までとは違う」と置き換えてもいいかも)組織が増えたってこと。

それがどういう効果を我が組織全体に及ぼすか・・・楽しみです。

でも、こんな話、近い将来にしなくていいようになってほしいかな。

仕事の中で男性、女性なんて関係ない、この業務を動かすのはこの人がいいって性別に関係なく決まるようになって欲しい。

日本全体、特に東京周辺を見れば、既に多様性の話が出ていて、性別だけじゃなく、国籍にもこだわりがなくなっているところもあるかもしれませんが、我が組織、平均から軽く20年・・もっと?~遅れてます。

それでも一歩ずつ前に進んでいるかな。。。

2015年4月11日 (土)

採用事務をしてわかったこと

採用の事務をしております。

我が職場で直接採用の事務をすることは滅多にありませんが、3月に一度終わったかと思ったら決まった方に辞退されてしまい、短期間に2度目の経験をさせていただいております。

お仕事自体が就職に関わる仕事をしていて、履歴書や職務経歴書の書き方についてノウハウを提供しているんですが、日頃からそれって正しいの?って思っていたので、実際に人を採用する側になるとなるほどと腑に落ちるところがあってとてもいい機会になっています。

まずは履歴書について、字を丁寧に書くことや表記方法、例えば株式会社は(株)と略さず「株式会社」と書くなんて細かいことをやっています。

そういうことは、就活ノウハウを一般的に教える立場から見ると、そんなことでも言っとかないと教えることがなくなるってことかなって思います。

採用する側は様々で採用事務に慣れていなくて何を見たらいいのかわからない担当者もいれば、そんな細かいことより大事なことあるだろうって思う担当者もいる。

企業、担当者次第というのが正解で、それはどんな人に当たるか運・・なんてことは就活ビジネスでは言えないから最も無難なところを教えている。

採用担当者はたくさん応募書類を見るから職務経歴書は1ページでまとめましょう・・なんて言っていますが、今回自分が専門職の方を採用するにあたって、1枚の職務経歴書じゃ、その方の人となりがわからない。

これもケースバイケースってことなんだなあって・・・

結局、応募する方が求人票を見て、どんな仕事なのかをできるだけ想像して、その仕事をやりたいって思って、その仕事に合わせて自分をアピールして、プラス書面で熱意をどれだけ伝えきれるかが、採用担当者の心をつかむ決め手になるっていうのがわかりました。

あくまで今回の採用事務に関してだけに当てはまることだろうけど。

だから一般的な応募テクニックを教えるっていうのは意味があると思うし、最低限必要なレベルっていうものは共通にあって、それさえクリアしていない方には、そこは押さえておいてねって言うのは絶対必要だろうなって思います。

でも就職活動を応援する立場として一番大事なのは、人を採用するってことは、雇う企業さんにとっても雇われる求職者にとっても、企業や人生のこれからを決めることになること、それだけ大きなことなんだってことを意識しておくってことかな。。。
滅多にないことを立て続けに2回もすることになってしまいましたが、しっかり勉強させていただいております。

2015年2月15日 (日)

地方、「イクボス」よりもすることが・・

「イクボス」・・よく聞くようになりました。
昨日の日経新聞の女性欄もイクボスでした(2015.2.14朝刊 31面『「イクボス」こうつくる』。

労働相談でよく「東京と福岡は10年の開きがある」と言われます。いま福岡の労働相談で増えている相談内容は、東京では既に10年前から増えていた。

労働問題の発生度から職場の環境全般を判断するのは乱暴かもしれませんが、福岡(地方)の職場環境整備や人事・労務管理は東京に比べ10年くらい遅れているんじゃないかと思います。

わざわざ労働問題を持ち出すまでもなく、それは女性の活躍推進ということでメディアで紹介され、知ることが多くなった企業の女性の実態についても、福岡の実態とはちょっと違うな~と感じることでも言えるかもしれません。

あくまで首都圏のほぼ大企業の話よね・・です。

そんな中で、地方で「イクボス」の取り組みをしなくては・・となるとそれよりもすることがあるよねとがっかりしてしまいます。

もちろん、しないよりした方がよいし、地方の企業でも既に取り組む段階に来ている企業もあると思います。

でも、地方ではまだ、女性を職場の同僚としてきちんと認められていない。
子育てをしているいないに関わらず、女性を補助業務要員と見ている人が多い。男性のみならず、女性も。

男女雇用機会均等法や育児介護休業法の努力義務規定を尊重している企業もそれほど多くない。禁止規定さえ、危ない企業もちらほら。

いまだにセクハラ発言あり、深刻なセクハラが多数発生している。


地方では、かつて東京で行われたように、まずは、女性を男性と同等の労働力と見て女性を職場に増やすことから始めることが、必要だと思います。

男女にこだわらず採用することから。

また、上司段階ではなく、まだ経営者が女性の働き方を理解していないのでは? まずはそこから。
女性が働きやすいように、法に規定されている最低限の基準をクリアする。

「イクボス」・・・いい響きですよね。企業のPR効果も高い。

でもそれに飛びつくより、もっとすることがあるってことを忘れないでほしい。

それは当たり前で地味なことばかりだから、スルーされるんじゃないかと心配してます。

イクボスは増えたけれど、その対象は、(女性がいなくて)子育て中の男性社員ってことになるんじゃないかと・・。

それはそれで子育て世代対策としてはいいかもしれないですが・・・。

2014年12月14日 (日)

「今治タオル 奇跡の復活 起死回生のブランド戦略」佐藤可士和、四国タオル工業組合著

九州大学ビジネススクールの修了生で「公共経営研究会」と名前をつけて勉強会をしておりまして、先週日曜日に集まったのですが、お一人の方の発表が「福岡県の伝統産業」。

発表を聴いて、伝統産業を守っていくことの難しさを感じたのですが、それと同時にこの分野に関わる仕事がしたいと強烈に思いました。

思ってみて、場合によっては、この発表者同様、人事異動で関わる可能性もあるのですが、自分の場合はかなりハードルが高く、今の組織を退職するまで関わることはないだろうと思います。

それでも関わりたいと言うからは、それなりに知識をと、まず本を検索してみるとこの本「今治タオル 奇跡の復活 起死回生のブランド戦略」が出てきました。

今治タオルと言うといまや日本人の大半が知っていると言っていいタオル。

かつて中国など、海外の安いタオルに押されていた産地が、復活できた成功例です。

ジリ貧で、常識的に考えると差別化が難しくて、価格競争では絶対海外に勝てそうになくて、復活なんてありえないものが、組合の熱意と一人のプロデューサーで蘇った。

その経過をまとめた本ですが、2014年11月30日発行・・・最近じゃない? 伝統産業に関わりたいと思って、出たばかりの本に巡り合って、ひょっとしたら私、この分野の仕事ができるかも(そんな奇跡は起こらない! 本気でやりたいなら、他力本願ではなく、自分で努力すべきですな・・(笑))

さて、本を読んで感じたこと 佐藤氏は「本質的価値を見極める」と言われていますが、本質的な価値は、案外長年携わっている当事者たちも気がついていないということ。
逆に長年携わっているからこそ、気がつかないところもあるということ。

失われていく伝統産業のそれぞれの地域がもう一度自分たちの作っている物の価値を考える。まず第一にこれをしてみる必要があるんだなあと。

それから、一企業ではなく、産地で取り組みをする場合、強い熱意を持った核となる人の存在、それからキーパーソンのリーダーシップ。今治タオルの場合は、佐藤可士和氏という著名な方がプロジェクトを引き受けたことで、有無を言わさずできたところもあるのだろうと思いますし、地元でまとめ役をやる人が何人か出てきている=一人じゃないということも成功の要因だと思います。


そして・・・これから。 ブランドが知られ、成功した。でも成功で終わりじゃない。それを守ることが難しいということ。

成功すると油断が出てしまう。一企業の取り組みではないので、緩む気持ちを地域全体で引き締めていくというのはとても難しいだろうということは容易に想像できます。


そんなことをわかって、今治に続き、地域ブランドを作り、守っていく。

どこも必死でやっているでしょうから、今治とは違う方法で成功している事例もあるでしょう。


いま、テレビなどでは、日本文化や日本製品を手放しで褒める番組が多いけれど、それってどの国も素晴らしい文化や伝統工芸品あるよね、日本だけの話じゃないよねっていつも白けた気分になります。


だから、日本だけが優れたものを持っているわけではないから、地域が持っているものが優れている、みんなに知ってもらいたいと思うなら、知ってもらう努力を謙虚にすることが大事だし、その一端を担える仕事をしたいなあと思います。

2014年10月25日 (土)

マタニティーハラスメントに対する最高裁初の判断

広島市の病院に勤務する女性が妊娠を理由に降格をされたことに対し、損害賠償を求めた裁判に最高裁が初めての判断を示しました。

私はこれを23日木曜日、仕事を終えて帰る車の中で、FM放送の短いニュースで聞きました。
短いニュースですから、その日起こったことで何を取り上げるかは慎重に選ばれていると思います。そこで流れました。

裁判が大きく報道される場合について、2つの見方ができると思います。1つは事件そのものが注目を集めていて、世間が関心を持っていると判断されるとき、もう1つは裁判で出された判断が今後世の中に影響を及ぼすと思われるとき。

今回は後者・・でしょう。

新聞の取り上げ方を見ると私が住む福岡の地方紙、西日本新聞は一面トップで取り上げました。

そして日経新聞はトップではなかったものの、やはり一面に掲載されており、さらに社説で取り上げていました。

経済紙である日経がこの裁判を取り上げていることは、今後、経済界に影響があると考えていることが判ります。

妊娠、出産を理由に会社内で不利益な取り扱いをすることを「マタニティーハラスメント」といいますが、妊娠をすれば母体や胎児を気遣って、本人が会社に対し妊娠を申告し暗に、人によっては直接、配慮を求めるのですが、それで本人が求めたからと部署を移し、ついでに役職まで外してしまうなんてことはよく聞く話です。

妊娠したら不利益を受けることは周知の事実で、それでも子どもを産むかどうか。


子を産んで育てるという人間として自然なことに、なんで大きな決断が伴うのか?

これじゃ子ども産む人減るはずだよねと当たりまえ~のことを考えます。
会社は会社、家庭は家庭と別々に考えているから起こっていることだと思います。


これもいつも書いているとおり、家庭やその他の活動で身体を休めたり、全く別のことをして気分を変える、あるいは新しい発見をすれば、それが会社に役に立つし、それがなければ人は働き続けられない。

また会社は今いる人材だけでなく、将来の人材のことも考えておかなくてはならないから、その人材を育む家庭や地域のことを考えなければならないと思います。

人材育成はそれをやってくれるところに任せておいて、できたものを収奪する。

家庭や地域のことを考えていない会社は、そんなふうに見えています。
企業が稼いだお金を寄付して社会貢献という前に、従業員が自然に子どもを生める環境を整備する、子どもを安心して育てられるように男女従業員の勤務環境に配慮する、そしてそのずっと前の従業員が結婚できるような給料や時間を保障する。

そんな当たり前のことがよっぽど社会貢献です。

でもそれじゃアピールにならない?

アピールされる側、いわゆる世間一般も意識を変えて、社員が働きやすい環境を提供している会社は社会貢献をしている会社だと判断するようになることも必要なのかもしれません。
この裁判を受けて、企業や行政の取り組みが変わっていくと思います。・・・変わっていって欲しいと思います。

この裁判は判例として他の裁判に影響を与えていきます。この判断が出て社会に影響を与えます。

裁判が社会を変える。法律に携わる人が求めるものは究極これじゃないかなと想像しています(法律に携わる人ではないのであくまで想像)。
でも最初にこの女性が裁判を起こしたからこそ、この結果が出た。

労働問題がどういうものなのかをちょっとだけ知っていて、諦めずに闘うことがどういうことを意味するか理解できるつもりですから、この女性に敬意を表しています。

この方ががんばったので、社会に大きなインパクトを与えることができた。

裁判は一旦高裁に差し戻され、この方の闘いはもうしばらく続きます。そして損害賠償を勝ち取ったとして、彼女自身はこの結果をどう判断するだろうか?
なまじ知っている分野だと考えなくていいことまで考えてしまいます。

2014年10月14日 (火)

グローバル化ができていないのは若者のせい?

職場で切り抜きをされた新聞記事の中に、10月11日西日本新聞の夕刊記事で「海外で働きたい12% アジア最低 日本の若者「保守的」」というものがあり、それが本当に保守的なことなのか?っと疑問に思っています。

記事には、人材サービス会社アデコの調査とありますが、この調査結果はアデコが今年5月にプレスリリースしたもののようで、なんで今頃?というのがまずあるのですが、そこは置いといて。

この調査の対象は、ベトナム、タイ、マレーシア、韓国、シンガポール、香港、台湾、中国、そして日本の9つ。そして対象人数は948人。

9つの国・地域で900人強ということは各国100人程度?

国・地域によってバラつきはあるでしょうが・・・それで各国の傾向を見て大丈夫なの?って思ってしまうのですが・・・

それから、海外といっても感覚が違うというのもあるかと。

国どうしが接していて、昔から交流が多く、言葉の壁があまりない国と日本のように島国だと、海外で働くっていう感覚はだいぶ違うような気がします。

また、自国よりは海外で働いた方が稼げる環境の国に対し、衰えたとはいえ、国内企業に就職する方がまだ収入が期待できる日本と単純に比較できるか。


今の大学生を見ていて、機会があれば、短期間かもしれないけれど海外に留学する学生がゴロゴロいて、日本の若者が海外に関心がないなんて感じません。

日本の企業に就職をして海外赴任をしてみたいなんて人は結構いるような気がするけれど、そういう人はこの調査では「海外で働きたい」には入らないのでは?

結局、経済的な面から見ると、なんのためにグローバル人材にならないといけないかというと、成長著しい国があって、そこで戦える人がいないと成長の恩恵が受けられないから。
でもそのために若い人が、低収入を覚悟で海外に出かけていって苦労してグローバル人材になるっていうのでいいのか?

そんなことより、手っ取り早く、今ある企業が海外に出て行けばいい。

失敗もするだろうけれど、若者が海外に出ないことには日本のグローバル化ができないなんてことを考えているより、よっぽど自然。

日本企業の経営者、40代、50代、60代、70代でしょうか、が海外に出ていけないのが問題なのに、何やら若者のせいにしているような気がしてしまうんですけれど・・・

一通り身の回りのものが揃っていて、お金は精神の充実に使うような豊かな国の若者とガツガツしなければ欲しいモノが手に入らない国の若者と比べて、豊かな生活を捨てて海外に出ることを保守的と言ってしまうのは間違っているんじゃないか?

経営者が、「年取ってもう海外に出る元気がない」なんて言っているとしたら、あなたには従業員の生活がかかっているんだから年もなんもないでしょう、責任もって海外でもなんでも稼げるところに行ってくださいって考えてしまうのは間違っているのかな?

なんか何でもかんでも若者のせいにしていない?って考えてしまうんですけれど・・・

2014年10月 1日 (水)

仕事に関する相談

パワハラが多くなっていると聞きます。

仕事で心を病む人が増えていると聞きます。

自己中心的な人が増えて、そんな人が上司になってしまうと自分の意に沿わないことは、我慢ができないで、部下にきつく当たるんだろうなと思います。

そんな人が多いから、気持ちが追い込まれ、心が壊れてしまうのかもしれません。

でも、それとは違うんじゃないかと感じる時もあります。

ある相談があって、確かにおかしいなと使用者側に事務所から問い合わせをしました。

ほんの最初のやり取りだけしかできず、事務所の職員が話をできたのは、相談者の事情の説明だけだったんですが、
まずいと思ったんでしょうね。相談者が望むものに近い解決策を取ってもらえました。

ところが、相談者の相談は終わらない。

問題の原因を作ったと相談者が考えている人とはそのまま一緒に働かないといけない。
それがどうにも耐えられないみたいです。
でも、自分が気に入った人だけの職場なんてありません。
人それぞれ違うから、どっか嫌いなところだってあるし、合わない人もいる。
それわがままじゃないかなあ~って思える状態になっているように思う。
相談することで、そんな気持ちになってしまったのかな・・・

就職相談でも、困ったなあという事例が・・
いろいろ相談に乗ってもらっているうちに、自分の進路が自分で決められなくなって・・・
毎日、相談をしてくる。
そろそろ「それは自分で決めることだよ」って言わないといけないなあと思っています。

相談って難しいと思います。その方の気持ちになって考えているとどんどん頼られてしまう。

過剰なアドバイスが相談する人の思考を停止させているんじゃないか。良かれと思って伝えていることがかえって問題からの脱出を難しくしている。

相談した方ができるだけ話をするようにする。口を挟みたい気持ちをぐっと抑えて、話を聞く。
頭で考えていることを言葉に出すことによって、考えが整理されてくるみたいなんですね。
下手な助言をするより、その方の話をずっと聞いていた方がいい。

アドバイスは必要最小限にして、話してもらう。そうしたら、自分で頭が整理できて、自分なりの解法を見つける・・・そんな方が結構多いと見ています。

2014年9月28日 (日)

「介護職員賃上げへ 15年度、月1万円人手を確保」2014.9.28日本経済新聞

日本経済新聞の一面トップに介護職員の賃上げの記事がありました。

『政府は2015年度から介護職員の賃金を引き上げる。介護サービス事業者が受け取る介護報酬に職員の賃金を増やす原資を加算する。月額1万円程度の増額を目指す。介護は人手不足が深刻なため、賃上げで人材の確保につなげる。賃金以外に払う介護報酬は抑え、介護を支えるための保険料や税の負担急増を避ける方向だ。』

子育て中の女性の就職支援をしていて、就業期間にブランクがあることや、家事・育児を担いながら長く働くために、“資格を取りたい”という希望をよく聞きます。

ハローワークやその他公的な機関で実施されている訓練や講座のメニューは、パソコン、医療事務、介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級 平成25年度変更)などがあります。

その中で事務系の資格については、パソコンは資格があったからといってそれだけで強みになるものではなく、プラスアルファー、これがあったら比較的有利というくらいなものですし、医療事務は民間も含め資格取得の講座がたくさんあって、この資格を持つ人が多く、かつ経験者が歓迎されますので、資格を取っただけではなかなか通用しないところがあります。

そのほか、いろいろな講座がありますが、人口動態や雇用環境を見ると、需要が増えることはあっても減らないだろうと思われるのは介護関連の資格だと思います。

同じく医療系の資格で看護師と比べると取りやすく、職場経験を積みながら自分の適性に応じて、例えば介護福祉士であったり、ケアマネージャーであったり、他の介護関連の資格取得を検討できる。

女性にとって、嬉しい資格だと思うんですが、なかなかお勧めできない。
それは、ハードな仕事の割に賃金が安いから。

心身が衰えていくそれぞれの高齢者に合わせて快適なサービスを提供するために、気配りがいるし、体力がいる。
それに見合うだけの給料が支払われているかというと・・・

介護事業は国が定める介護報酬に基づき事業が運営されているため、事業者独自に職員の給料を上げることは難しい。

今回のように国が介護報酬を引き上げないと改善は進みません。月額1万円程度、それがどれほどの効果なのかよくわかりませんし、「程度」とあるところ・・1万円を切る可能性もあるわけで、介護職員という仕事、待遇面から考えるとまだまだこれからかなあって思います。

ただ、この職種を目指すことを決めている皆さんは、待遇は気になるものの、働き甲斐に魅力を感じておられ、ご自身の想いを話されるお顔は、頼もしくって眩しいです。
 

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